ABOUT TAROT トップページ | 峰レア〜タロット解説 《大アルカナのメッセージ》

Major Arcana 大アルカナの素顔

タロットカードを語る上で欠かせない22枚のカード大アルカナ。
アルカナ(arcana)とは秘密や神秘を意味します。

大アルカナはタロットカード78枚を使用したリーディングで強いキーワードとして現れ、実際その示唆するところが明瞭であるケースが殆どです。
相談者自身の自覚の有る無しに関わらず、大アルカナによって示された事象・深層には決め手となるメッセージが秘められていると言えます。
それでは、大アルカナ22枚の簡単なプロフィールをご紹介します。
2007.11.6.一部加筆


0.愚者1.魔術師2.女教皇3.女帝4.皇帝5.法王
6.恋人7.戦車8.力9.隠者10.運命の輪11.正義
12.吊るし人13.死神14.節制15.悪魔16.塔
17.星18.月19.太陽20.審判21.世界

0.The Fool 愚者

愚者のカードは、未見の領域を示唆するもの、或いは、人生を「旅」に喩えたような 未知のカードが、この愚者と言えます。
流れる川は未知に溢れているからこそ、人は永遠の旅人。
流れに身を委ねるも自由、逆らうも自由。
ただしその先々で、人々は必ず何かに出くわすことでしょう。
何ものにも囚われない奔放さの裏には、孤独を受け入れるだけの器が必要。
何ものにも染まらない真の開放を求めた先に広がる世界が、幸せとか 不幸とか、そんな価値観すら通じないこの旅人は、自身の感性に導かれるままこれからも未知の世界を彷徨うのでしょう。始まりも終りもない、モラトリアムな時空にいることを愛しながら・・。

1.The Magician 魔術師


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この人物は、人の模倣を嫌いつつもどこか世俗的な向きもある、ちょっと憎めない性格があります。
大胆でフレキシブル。いつも唐突なように見えて実はあなたが知らないことを知ってたりする、不思議な魅力もあるのです。隙があらば付いてくる、才気活発・好奇心旺盛な有望な人物・・・。
しかし、大胆な一歩を踏める若々しい勇気があるのですが、その後をどう活かして行くのかは、神のみぞ知る・・・
ちょっと気まぐれに寄り道したり、無駄な飽食に時間を費やすのも特徴の一つ。
つまり、なにが全うなのかを見極める前に、行動しながら学んで行く 冒険者(チャレンジャー)なのです。
キッカケを活かすことに掛けては天才的アイディアマンなのですから、その先に広がる可能性に希望を委ねて努力して欲しいものです。


2.The High Priestess 女教皇

「神秘」とは、まさに測り知れないヴェールをかぶった「未知」の象徴。
この人物は、「未知」が在ることを敏感に感じ取り、それを解き明かそうとします。
全てを知り尽くせているわけではないもどかしさと、奥に秘めた熱い情熱・・・
知識を全うに活かすには、知性と良識があればこそ。正しい見識の先には、更にそこから何をすべきかが見えて来ます。
賢明で真摯な判断は周囲の尊敬を集めますが、そんなクールな姿はいやおう無く孤高なイメージを与えてしまうもの。
でもこの人物は、ただ純粋でひたむきなだけなのです。底から湧き出る知性と探究心、それを裏付ける情熱を抱えるがゆえ。
そしてその処女性は、偉大な母性の源泉にもなり得るのです。

3.The Empress 女帝

草花や作物はどんなに日光を浴びても、豊穣を約束する土壌が無くては育ちません。
母性の持つあらゆる側面を体現するこのカードは、物事を生み出し、育み、そして包み込みます。女帝は、人が繁栄して行く為に必要な「土台」を備えているのです。土台があるということは、そこに根ざす「何か」を持っているという証。
もう一つ明確な事実があるとすれば、これらの土壌は、育んだ分の見返りをも求める側面があるということ・・・
愛情を与えるのは、幸福と繁栄を与えるのと同時に、自身もその恩恵を得たいからこそ・・・
母性とは 与えるだけでは無く、それに見合ったものを所有することも意味しているのです。

4.The Emperor 皇帝

この人物は、誇り高い性格の裏に頑なな「信念」と「意志」を持ち、己の目標を実現しようとしています。
長きに巻かれることなく自身が信じる道へ向かって進み、尊厳と信頼に値する確実さは、ライバルにとっては脅威でしょう。自らは敵に攻撃を与えたりはしませんが、自身の領分を傷つけられたり刺激を受けると、その信念に基づいて敢然と立ち向かいます。そこには確実に実現させたい目標・意志と共に、手に入れたものを支配し管理しようとする、野望と強いエネルギーを秘めているのです。
ただ、それほどの力が潜在しているということは、もしも方向を間違い暴走すれば大きな代償を払うことになるでしょう。
着実に物事を進め、強い意志でコントロールすればこそ大切なものを守ることも出来ます。
その人にとって最も重要なものは何なのかを示し、その意味するところ暗に問いかけている「問題提示のカード」と言えます。

5.The Hierophant 法王

人生は、たとえ紆余曲折しようとも、善き努力の先には必ず穏かな時が訪れるもの・・・
困難な時にある時、人は信頼できる助言や精神的サポートを求めます。
このカードは、その気持に善意で答え、良心的に導いてくれる存在なのです。
決して深入りはして来ませんが、その深い導きは、あなたの中に静かな安心感を与えてくれるはず。たとえそれが常識的すぎて面白みに欠けていようとも、導かれた先には、これまでの困難を克服するための重要なキーワードが表れて来ることでしょう。一見古臭いことの中にこそ、人に恩恵を与えるだけの重要なプロセスや真実が秘められているということを再確認させてくれる存在が、この法王なのです。
また、このカードは「個」に執着せず、「全」を重んじる傾向があるため、個人的で親密な繋がりに対しては臆病な素顔も持ちます。ただし、それを上回るほど「寛大という美徳」を持っている辺りが、法王の最大の魅力なのかも知れません。

6.The Lovers 恋人

この世は相反するものが調和・共存しながら成り立つ面があります。
表と裏、光と闇、或いは男と女・・・
それらの「交わり」は、時に この上ない「美や友愛」を生み出します。
それぞれの個性が引き合う 情熱と創造性は、更にその先に「駆け上がるべき次元」があることを示唆します。
この刺激に満ちた新たな出逢いを機に、どの様な道を歩むのかが試されるのです。
高尚で発展的な方向へ進めるか、もしくは、刹那的で惰性で歩む方向へ向くのか・・・
その答えこそが、真の価値を物語っているはず。
物事は今、新たなキッカケを得て成長する機会を与えられました。
その行方を決めるのは、磨かれた知性とセンスと言えるでしょう。

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7.The Chariot 戦車

如何に平和主義なものでも、生きていれば幾度かはライバルや邪魔者などにかき乱される経験を持つでしょう・・・
このカードは、その様な「乗り越えるべき課題」が目前にあることを暗示しています。
それを乗り越え 欲するものを手中に収めるまでには、試練や葛藤を越える為の努力を要し、苦悩を伴うこともあるかも知れません。
しかし何かを掴み取りたいという野心と情熱があればこそ現れるこのカードは、目的の為にチャレンジすること自体が、未来への大きな意義を持つと語ってきているのです。
ただし、この緊張した期間に誠心誠意を以て努力を尽くせば、その先に必ず大きな発展に繋がるということを同時に勇気づけてきます。
楽な方へ流れやすい人の本性を諭すようなこのカードが現れた時こそ、自分を律して、真に必要なものを見極める必要があるといえるかも知れません。

8.Strength 力

真の強さというものは、「奥に秘めた勇気と優しさ」にこそ見出せるもの・・・
力と言っても、瞬間的なパワーではなく、滾々と湧き続ける源泉のように、根源的な価値や存在感を持つことが自信と勇気に結び付くはず。
しかし裏を返せば、自信過剰や思い込みに陥りかねない危険性と隣り合わせにあることも牽制しているということも忘れてはなりません。
愛のタブーに例えるならば、愛情の押し付けの中に真の愛を見出すことは出来ず、そこに在るのは、愛しているという自惚れや思い込みだとも言えるわけです。
真の力は、黙々と鍛錬された知性と勇気にこそ内在するということを、このカードは伝えてくれているのです。

9.The Hermit 隠者

樹木には その人生が年輪となって刻まれるように、老人の奥底には「老獪な智恵」が秘められています。
今 必要なことは、具体的な行動よりも、真に淘汰された「価値ある思索」が求められていることを、このカードは告げているのです。
表面からは計り知ることの出来ない「真実」があるとしても、その真相を知ることがプラスになるなら、知るのが得策。
真相を知ることがネガティブな変化になる可能性があるなら、知らぬが仏。
その様な奥の深い「何か」が在ることを暗示する隠者が伝える真意は、何ものにも揺るがない智恵を活かし、信念を備えることが求められているということなのです。
孤高にして気高く、それでいて内省的な知性。
どの様な判断が賢明かということを、静かに問い掛けてきているのが、この隠者です。

10.Wheel of Fortune 運命の輪

季節に春夏秋冬があるように、森羅万象、この世にある一切のものは移り変わる宿命を持ちます。
海に風が吹けば 必ず波が立つように、航海するのに絶好な時機もあれば、舵取り不可能な悪天候に見舞われることもあるのが世の常。
このカードは、そのタイミングの変化が迫っていることを暗示しています。
また、同時に「歴史は繰り返される」とでも言わんばかりに、かつてあった事と似たことや同じことが起こりうることも告げ、運命に翻弄されないように牽制しています。
良くも悪くも、その変化に呑まれないようにしながら時機を見極め、チャンスを最大限に活かすようにすれば、きっと大きな発展と幸運に繋がるということを知らせる、メッセンジャー的役割が最大の特質と言えるでしょう。

11.Justice 正義

「公平」という言葉に象徴される このカードは、感覚的にも理論的にも最も絶妙なバランスを備えた「隙の無い価値」を持ち合わせています。
例えば法的な判決であったり、結婚というシステムであったり、それは法やモラルなどで完全に守られ、存在を保たれるほどの完璧さと安全性を備えているというわけです。
寸分の隙もないバランスは、それを破ることがタブーであると言わんばかりの世界を形成しますが、唯一の弱点があるとすれば、その均等性を保つには何らかの暗黙のルールを守り続けねば価値を失ってしまうという部分だと言えるでしょう。
秩序が必要であればこそ姿を見せるこのカードは、決して偏らない客観的な眼で見定めるべき姿勢が最上の安定性を与えてくれるという真実を私たちに知らせてくれているのです。

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12.The Hanged Man 吊るし人

この吊るされた人物には、物心何れか(或いは両面)に於いて何かに囚われているという背景があります。
メンタル的には、良くも悪くも得がたい体験をしていることを示唆しますが、いずれにしても、いつの日かこの境遇から脱出することを潜在的に望んでいることには変わりないはず。
こうまでして自分の心的な苦慮を以て身を捧げるという姿は、見方を変えれば、そうする必然性があるか否かを真に見極める必要があるということ。
そして、決してこの状況に安住するのではなく、早くここから脱却する為の「経験と力」を蓄えよ・・と、メッセージを投げ掛けてくれているのです。
※このカードは、試練というキーワードの他に、カルマや因縁(時に霊的な障りも含む)という、目に見えない作用が隠れていることを示唆するケースがあります

13.Death 死神

とかく忌み嫌われがちな死神。
確かに心理的な衝撃や、決定的な状況の破綻や変化を示す場合もありますが、このカードの最も重要なメッセージは、『終焉の先には「新たな始まり」が待っている』という運命の法則への、高次の予見なのです。
いつまでも今までの不毛の地に住むか、それとも豊穣の地を求めて、今までの地を離れるか・・・
どちらが賢明な判断かは言うまでもないはず。
死神の名を持つこのカードは、役割を果たし終えたものを手離して、空っぽになったその掌で新たな種子を撒くように・・・と促している、非常に大きな意味を持つ存在なのです。

14.Temperance 節制

まるで静かな湖面のように穏かで清らかな姿は、如何に底に深いエネルギーを秘めていようとも、決してそれを感じさせることはありません。
無駄のない 力の使い方を会得しているからです。
謙虚とも言えるその姿は、一見すれば大人しくて扱い易い無個性に映るでしょう。
しかし深く見つめると、淘汰されたピュアなエネルギーを秘めているのが伺えるはずです。
それを闇雲に浪費するのではなく、使うべきタイミングでタイムリーに使うということの大切さを知っているからこそ、自然に構えていられるだけの余裕を見せているのです。
控え目なこのカードが示すところは、内側に隠された魅力や才能を活かすには、周囲の流れを見守りつつ、その準備は整えておいた方が、思った結果に繋がることが出来る・・・という潜在的な幸運を告げていると言えるでしょう。

15.The Devil 悪魔

人と煩悩は切り離せない関係にあるもの・・・
悪魔のカードの本当の恐さは、一見、人の為に利益を生もうとするような姿を見せつつも、人の「欲」を巧妙に利用するだけの機知を秘めているという点にあります。
まるでこの世は持ちつ持たれつとでも言わんばかりに・・・
しかし、人間の業の深さや脆さに付け込んでくる出来事も、何らかの「因果関係」があればこそ起こるもの・・・
逢わなければ良かったと思えるような腐れ縁も、それを招き入れた要因が、実は己にあるという警鐘に他ならないかも知れません。

16.The Tower 塔

稲妻が今まさに塔を直撃しようとしているこの不吉な絵は、ショックやトラブルが身近に迫っている警鐘の証。
それは何も、事故やトラブル 急病などに限らず、当て外れな思い込みや、勘違い、誤解などによる、感覚的なトラブルが発生する可能性をも示唆しています。
つまり未来へ向けて考え方や計画を見直す必要があることを、声高に訴えてきている 重視すべき存在と言えるでしょう。
しかし、その衝撃的な出来事が無ければ、決して開けない未知の扉が見えてくることもあることから、希代の大発見や 大きな進歩に繋がる「偉大な啓示(気づき)」となりうるのも事実なのです。

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17.The Star 星

澄み渡った夜空に煌く星が「希望を持て」とばかりに輝いています。
今まで後ろばかりを気にしていたのなら、ようやく目の前が晴れ渡る出来事が あなたを待っているはず。
遥か遠くに輝く星は、この先の願いを叶えるべく、未来の大きな道しるべになろうとしているのです。
現に、このカードが出ている時期は、物事の流れがとても順調で、どんなこともスムーズに運ぶことでしょう。
しかも、周囲からの思いがけない協力や援助が得られることが多いことから、恵まれた友情を示すことも多くあります。また、愛や恋にこのカードが出た場合、熱烈な進展を望むよりも、自然な流れに逆らわずに、素直に身を委ねた方が良い方向へ進めることが多いはず。ただし受身になりすぎず、知性を活かした行動は取るべきです。
この明るい予兆を活かすには、ネガティブなものを断ち切り、広い視野で見つめてこそ進むべき幸運への道を歩んで行けることでしょう。

18.The Moon 月

人の心を様々に操る 神秘に満ちた月の灯り・・・
まるで自分の不安を映したように浮ぶ暗い朧月が、嫌な予感を植え付けたまま 目の前を曇らせてしまったり、時には、澄んだ夜空に浮ぶ幻想的な月から湧き起こるイマジネーションが、珠玉のアートを誕生させることもあります。
ただ一つ 間違いない事実は、夜の闇は様々なことを覆い隠すということ・・・
真実が姿を表してくる夜明けは、もう少し 先なのかも知れません。

19.The Sun 太陽

「今こそ輝け!」と言わんばかりに燦々と陽を注ぐ太陽が、あらゆる生命を祝福しています。
その無償の暖かみは、冷え固まった氷をも解かし、人々の心に喜びを与えてくれることでしょう。
例えそれが人生の一コマのように短いものであろうとも、この賞賛を浴びた者は、揺るがぬ自信を得るはず・・・
その自信を更に次へ繋げようという謙虚な努力を重ねれば、天はあなたを見捨てません。
しかし、少しでも思い上がった気持ちを抱いた者には、太陽は非情なまでの灼熱で、その自信を焼き尽くそうとする一面もあるのです・・・
まるで、純粋さと謙虚さを持ち続けることを出来るかを、試しているかのように・・・
そう・・・太陽の恵みを最大限に活かすには、協調性と知恵も必要なのです。

20.Judgment 審判

これまで必死に努力して来たことに、人は、何らかの結果を求めることがあるものです。
それが何かの幕引きという形であろうとも、それは清々しい開放感と満足感を あなたに約束してくれるはず・・・
更にそこから新たな幕が上がることもあるでしょう。
もしも、やり残したと感じることが、再度チャレンジする価値が本当にあるものならば、その機会が与えられているのです。
真実の答えを受け入れる者には、納得の行く結果と新たな息吹を生ませてくれることでしょう・・・
過去に拘る時は、ようやく終わったのです。
ただし、去ったことにいつまでも拘れば、精神的苦悩のスパイラルに陥ることも示唆しています。

21.The World 世界

この世が輪廻転生を繰り返すごとく、物事は、始まりと終り・上昇と下降のサイクルを繰り返しながら、ゴールへと向かっていきます。
人生という山の大きな峰に到達した瞬間、眼下に広がる大きなパノラマは、あなたに至上の充実感と幸福感を与えてくることでしょう。
人は必ずやり遂げることが出来るのです。但し何かが足りなかったものには無常な境地。
これまで紆余曲折しつつ、何かに励んできたものにこそ与えられる唯一無二の得がたい高みに届くには、揺るがぬ信念と 普遍的な強い意識を高めていくことです。
また、世界のカードは「発展し終えた状態」を意味することから、「それ以上発展し得ない」という含みを持っています。
このカードを「一番良いカード」と説いた教本をよく目にしますが、それは「その状況に於いて、やり遂げることを成し終えた」という意味での『完成』と解釈した方が、実践レベルでは的確にリーディング出来ると思います。
つまり、これからは過去ではなく「未来の計画に着手すべきタイミング」にあるということなのです。

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